名古屋の糖尿病専門医

糖尿病の三大合併症
(糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症)

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糖尿病の三大合併症

糖尿病性神経障害,糖尿病網膜症,糖尿病性腎症 を糖尿病の三大合併症といいます。ほかの合併症とは違いこの3つの合併症は糖尿病の人だけがなります。
また三大合併症は細い血管の障害で起こるため「細小血管障害」とも呼ばれています。

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糖尿病性神経障害

糖尿病の合併症のうち1番はじめにでてくることが多い合併症です。
症状は
両足がしびれる (靴下をはいていないのにはいているような感じ)
足が冷える
ものが二重に見える
めまい、立ちくらみ
便秘
尿が出にくい
勃起しにくい
心筋梗塞を起こしても痛みを感じない
など、障害される神経でさまざまです。

これまでは糖尿病性神経障害の症状にすぐに良く効く薬はありませんでしたが、最近はすぐに効く薬も出てきましたのでご相談ください。

糖尿病性神経障害は血糖コントロールを良くする(HbA1c値を6.9%(NGSP値)未満に維持する)ことでほとんどの人が予防できます。

当院では糖尿病性自律神経障害を早期に発見するためにCVR-R測定を1年に1度おすすめしています。

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糖尿病網膜症

昔は大人になってからの失明の原因の1位が糖尿病でした。
糖尿病がある人は眼底の血管が障害されて視力が落ちたり、眼底出血をおこして視野の一部が急に見えなくなったり、失明したりすることがあります。
眼科に定期的に通院してチェックしてもらいましょう。適切な時期にレーザー光凝固などの治療をうければ、視力の低下を抑えることができます。

糖尿病網膜症は血糖コントロールを良くする(HbA1c値を6.9%(NGSP値)未満に維持する)ことでほとんどの人が予防できます。

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糖尿病性腎症

強い腎不全にいたると人間は生きていくことができませんが、現在は人工透析という治療で生き続けることができます。
日本で人工透析になる人の半数以上が糖尿病性腎症が原因です。腎移植をしない限り、1回4時間程度の治療を週に3回程度 一生続ける必要があります。
私たちは人工透析にいたる人をひとりでも多く減らしたいと考えて毎日の診療にあたっています。

初期には尿アルブミンが見られます。さらに進むと尿タンパクがみられるようになります。
尿アルブミンまでの時期であれば治療が可能ですが、尿たんぱくが出始めると腎不全の進行を止めることは難しくなります。
ACEI(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)やARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)と呼ばれる薬は、糖尿病性腎症の進行を遅らせる働きがあります。血圧の高い人は診察で130/80、自宅で125/75を超えないようにするべきです。
尿アルブミンや尿タンパクがみられる人は、腎不全の進行を抑えるために食事のタンパク質を制限する必要があります。

糖尿病性腎症は血糖コントロールを良くする(HbA1c値を6.5%(NGSP値)未満に維持する)ことでほとんどの人が予防できます。

当院では糖尿病性腎症を早期に発見するために尿アルブミン検査を3か月に1度おすすめしています。

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