名古屋の糖尿病専門医

HbA1c値が低いだけでは安心できない

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HbA1c値が低いだけでは安心できない!?

どのような人が心筋梗塞や脳梗塞になりやすいのか調べた数千人規模の大規模な研究で、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満などのある人が危険が高いことが報告されています。

このような悪条件のひとつひとつを危険因子とよび、少ないほど危険を減らせることが科学的に証明されています。危険因子が多い状態は近年、メタボリックシンドロームとして話題になっています。

糖尿病のある人が心筋梗塞や脳梗塞を防ぐには

・HbA1c値 6.9%(NGSP値)未満
・血圧130/80 mmHg未満
・LDLコレステロール(悪玉) 120 mg/dl未満
・HDLコレステロール(善玉) 40 mg/dl以上
・中性脂肪(TG) 150 mg/dl未満
・BMI (体重÷(身長)2)  25未満

のすべてを維持することが大切です。

生活習慣を変えたり、お薬をのんだりして、すべてを実現できるようにがんばりましょう。
また喫煙も危険因子です。たばこを吸っていらっしゃる方はできればやめたほうが良いでしょう。

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境界型糖尿病でも安心できない!?

糖尿病を発症する前の段階を境界型糖尿病といいます。
大半がIGT:耐糖能異常とよばれる状態です。IGTの方のHbA1c値は5.6-6.5%(NGSP値) 程度です。

実は心筋梗塞や脳梗塞はIGTの状態からすでにその進行が始まっているという研究結果が報告されています。(糖尿病の3大合併症である糖尿病性神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症はIGTの状態ではほとんど進行しないと考えられています。)
IGTの方は食前の血糖値がほぼ正常範囲でも食後の血糖値が正常上限140 mg/dlを超えています。食後の血糖値が急激に上がることを”血糖値スパイク”と呼び、糖尿病になっていなくても心筋梗塞や脳梗塞をもたらす原因となります。

食後の血糖値はHbA1cよりも1,5-AG【1,5-アンヒドロ-D-グルシトール:イチ・ゴ・エー・ジー】という検査に反映されます。HbA1c値が6.9%(NGSP値)未満でも安心せず、時々1,5-AGも検査して心筋梗塞や脳梗塞を予防しましょう。

IGTの方は将来糖尿病になる可能性が高いですが、薬をのむことで糖尿病に進展する確率を減らせるという研究報告があります。メトグルコ、ベイスン、アクトスなどの薬です。
本格的な糖尿病に発展する前に手を打つことが大切であることを示した報告です。

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