名古屋の糖尿病専門医

糖尿病と
高血圧症,脂質異常症,メタボリックシンドローム,ペットボトル症候群

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高血圧症

糖尿病患者さん、糖尿病の疑いのある患者さん(境界型糖尿病・耐糖能異常)は年齢に関係なく血圧を130/80 mmHg未満に維持しないと糖尿病性腎症、心筋梗塞、脳梗塞の危険が増えると報告されています。
糖尿病がない人では140/85 mmHg未満で良いとされています。

糖尿病の方にはぴったりの高血圧症のお薬があります。
ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)と呼ばれる薬で、糖尿病性腎症の進行を遅らせる働きもあります。

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脂質異常症

糖尿病の状態に、LDL(悪玉)コレステロール中性脂肪(トリグリセライド)が高い状態が重なると心筋梗塞や脳梗塞の危険がさらに高くなってしまいます。

治療の目標
LDLコレステロール(悪玉) 120 mg/dl未満 (糖尿病がない場合は140 mg/dl未満)
HDLコレステロール(善玉) 40 mg/dl以上
中性脂肪(TG) 150 mg/dl未満

食事・運動療法でも目標値まで下がらない場合は 薬をのんで下げましょう。薬をのまないで放置する危険は薬をのんで副作用を起こす危険よりもはるかに高く、将来の心筋梗塞・脳梗塞を予防するには飲んだほうが良いでしょう。
またHDL(善玉)コレステロールが低い方は、ナイアシン(ビタミンB3)を多くとることでHDL値を上げることができます。LDLだけを下げようとする治療よりも効果があったという研究報告もでています。ナイアシンは一般の薬局でも購入できますが当院で処方することも可能です。

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メタボリックシンドローム

肥満のある人が高血糖、高血圧、脂質異常のうちふたつをあわせもっているとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といわれ、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすいことがわかっているため問題となっています。国内では中年以上の男性の2人にひとり、女性の5人にひとりがメタボリックシンド ローム、合計で1000万人以上と考えられています。通称「メタボ」として広く知られるようになり、厚生労働省は「特定保健指導」の対象として積 極的に生活習慣改善に介入して動脈硬化を起こす人の数を減らし 将来の医療費を削減することを目標としています。

当院では医師、管理栄養士、看護師、保健師による特定保健指導(動悸付け支援、積極的支援)をうけることができます。

メタボリックシンドロームの診断基準

A.ウエスト周り(おへその位置)
  男性 85cm以上
  女性 90cm以上

B.高血糖(空腹時血糖値 110 mg/dL 以上)
  高血圧(130/85 mmHg 以上)
  脂質異常(中性脂肪 150 mg/dL 以上または HDLコレステロール 40 mg/dL 未満)

A+B(3項目中2項目以上)でメタボリックシンドロームと診断。

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ペットボトル症候群

糖質がはいった清涼飲料水を飲みすぎて急にひどい糖尿病の状態になってしまうことです。医学的に正式にはソフトドリンク・ケトーシスと呼びます。
救急車で病院に運ばれてくる糖尿病性ケトアシドーシスの人は、倒れる前にペットボトルにはいった糖質入りの清涼飲料水をたくさん飲んでいる場合が多いことからこう呼ばれるようになりました。
ふだんごく軽度の糖尿病しかない人や境界型糖尿病の人でもこの状態に陥ってしまうことがあり、暑い夏は特に注意が必要です。

のどが渇いて糖質がはいった清涼飲料水をのみまくる→血糖値が上がりさらにのどが乾く→どんどん清涼飲料水を飲む→さらに血糖値が上がる→吐き気、意識レベルの低下

暑いところで熱中症になりそうな場合には水かお茶など糖質ゼロの飲み物を選びましょう。スポーツドリンクを飲みたい場合は、アクエリアスゼロ、OS-1などがおすすめです。

ペットボトル症候群をきたさない飲み物・・・ 水、お茶(緑茶、麦茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、十六茶など糖質のはいってないもの)、紅茶(糖質ゼロのストレートティのみ)、コーヒー(ブラックのみ)
ペットボトル症候群をきたす飲み物・・・ コーラ(糖質ゼロ以外のもの)、炭酸飲料水(糖質ゼロ以外のもの)、一般的なスポーツドリンク(糖質ゼロ以外のもの)、果物ジュース、野菜ジュース(果汁が混じっているもの)、紅茶(糖質のはいっているもの)、コーヒー(糖質のはいっているもの)

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