名古屋の糖尿病専門医

糖尿病の薬物療法

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糖尿病の薬物療法(のみ薬)

糖尿病の薬物療法のポイントは
 血糖値を下げることが一番大切
 膵臓(すいぞう)のβ細胞がインスリンを出す力が弱らないような治療をする
ことです。

SU薬
血糖値を下げる力は最も強い飲み薬ですが、長年(5-10年間以上)飲み続けることで 膵臓(β細胞)のインスリンを作る力が落ちてくることが多く、糖尿病が悪化してしまうかもしれません。他の薬を増やして、少量にするか中止したほうが良いでしょう。
また薬の量が多すぎたり、他の薬との組み合わせで低血糖を起こすことがありますので注意してください。

速効型インスリン分泌促進薬
飲んですぐにインスリンの分泌をうながすために 食事の直前(5分以内)にのむことが大切です。外食の時は注文した食事がテーブルに置かれてから飲まないと低血糖を起こしてしまうことがあるので注意してください。
グルコシダーゼ阻害薬といっしょに飲むことで食後の血糖上昇をしっかりおさえてくれます。

αグルコシダーゼ阻害薬
腸からの糖質の吸収をゆっくりにする薬で、食後の血糖値の急激な上昇をおさえます。下痢・便秘・おならが増えるなどの副作用がでることがあります。
糖尿病の前段階(IGT)の人がのむと糖尿病の発症を抑えられるという証拠がでていて、糖尿病と診断されていなくても保険適応となっています。

ビグアナイド薬
膵臓から出たインスリンが体中で良く効くようになるお薬で肥満の人で特に良く効きます。昔からある薬で長期間の安全性が確立されおり、低血糖を起こす可能性もほとんどありません。
糖尿病の前段階(IGT)の人がのむと糖尿病の発症を抑えられるという証拠がでています。
腎不全の人が飲む場合には注意が必要です。

イメグリミン
2021年に発売された新薬です。膵臓から出たインスリンが肝臓や筋肉で良く効くようになる効果と、血糖値が上昇した時にインスリンの分泌を促す効果、ふたつの効果を併せ持っているお薬です。
メトホルミンといっしょに飲むと吐き気や下痢などの消化器症状が増える可能性がありますが、単独では副作用は見られません。また単独では低血糖を起こす可能性もほとんどありません。
細胞の中にあるミトコンドリアに作用する薬剤で、活性酸素の増加を抑えることが基礎研究で確認されていて、細胞の老化を防ぐ効果が期待されています。
腎不全、肝不全のある人でも安全に飲むことができます。

チアゾリジン系
膵臓から出たインスリンが体中で良く効くようになるお薬で、低血糖を起こす可能性もほとんどありません。塩分をとりすぎの人でむくみ、カロリーをとりすぎの人で体重増加をきたしやすくなりますので気をつけましょう。
糖尿病の前段階(IGT)の人がのむと糖尿病の発症を抑えられるという証拠がでています。
またインスリン注射をしている人が飲むとインスリンの量を減らしたり中止できることがあります。

インクレチン関連薬
DPP‐4阻害薬
GLP-1アナログ(注射)

→インクレチン関連薬のページをご覧ください

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